食料安全保障推進財団

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コラム記事

“酪農危機”で赤字85%「牛乳増産しろ」一転

「減らせ」の迷走政策で日本の牛乳が消える危険

https://article.auone.jp/detail/1/2/2/99_2_r_20230406_1680763903211639

「現在、1kgの生乳を搾るのに30円の赤字が出ていますから、当然の結果です。
少し前、千葉県の獣医師が全国107カ所の酪農家に呼びかけて行った調査では、
98%が赤字経営していると答えています。
酪農産業が消滅危機にあると言っても過言ではありません」
「過剰生産の誘導をしておきながら、北海道では生乳があまるので
14万トンの牛乳を減らしなさいという。
一方で生乳に換算して14万トン分に及ぶ乳製品を、海外から輸入しています。
本来なら輸入義務はないのに、諸外国からのクレームを恐れて、
無理に買っているのです。まずは輸入をやめるべきです」
「脱脂粉乳の在庫処分のためとして、赤字に苦しむ酪農家に負担金を出させている。
その額は北海道の酪農家だけで350億円にものぼるという、異常事態です」
「1kg絞るごとに30円の赤字が出るなか、昨年11月、飲用向けの乳価は1kgあたり10円あがり、
令和5年度も10円あがる見通しですが、まだ赤字は解消しません。
消費者の負担が増えすぎないように、国から、少なくとも1kgあたり10円の補助が求められます。
酪農家には無利子無担保の長期融資をすることも、当面の赤字経営をしのぐ対策になるでしょう。
また、牛乳や乳製品の生産を抑制するのではなく、増産した分は政府が買い取り、
フードバンクに納めたり、加工品を海外に輸出するなど“出口”をしっかり作ることです」
「現状が1年も続けば、廃業する酪農家が激増するでしょう。
子供たちの健康を守る牛乳が食卓から消えてしまいます。けっして絵空事ではないのです」