食料安保こそ「国防」 今必要なのは農業振興への5兆円 鈴木宣弘・東京大学大学院教授(1)
防衛費5年で43兆円増、年間5兆円上乗せ、は結論ありきで、食料・農業危機は放置。食料安保こそ「国防」、命を守るのに今必要なのは農業振興予算の5兆円増額ではないか。
12月16日、岸田政権は戦後日本の安保政策を大転換する国家安全保障戦略など安保関連3文書を閣議決定した。そこでは議論も尽くされないまま、2023年度から5年間の防衛費を現行の1・5倍の43兆円とすることが盛り込まれた。しかし、それでいいのか。今、求められているのは食料安全保障政策の大転換とそのための国家予算の確保ではないのか。「基本法の見直し」では不十分で、食料安全保障推進法を制定すべきだと鈴木宣弘東大教授は主張する。